虫歯治療ではドリル切削した欠損部や、抜歯後に差し歯や入れ歯を制作しなければならない場合がよくあります。
治療の際に特殊な樹脂で歯型を取り、そこに樹脂を流し込み人間の手で、患者の歯並びにあわせた形にして、差し歯や入れ歯を装着することになります。
歯科技工士などの専門家の手で制作されることになりますが、人の手を利用する以上はどうしても日数がかかってしまうことは否定出来ません。
また歯科技工士個人の技量に左右される余地が多いにあり、一定以上の品質を常に維持しなければ、満足な治療効果を望むべくもありません。
こういった歯科業界における、人間の手による制作の不確実性を克服する為に、注目を集めているのが3Dプリンターになります。

3Dプリンターとは、制作対象物のデータを取り込んで、特殊な樹脂を吹き付けて立体コピーを自動生成するプリンターのことを指しています。
素材には光に反応する「光硬化樹脂」が使用されて出力量を調整して25ミクロンや50ミクロンといった極めて薄い層を重ねて立体構造物が形成されていくわけです。
その為、微細なレベルでの構造模倣が可能になり、極めて精度の高い対象に寸分違わぬ、差し歯や入れ歯を制作することが可能になっています。

ただ、歯科業界で注目を集めるのは差し歯制作だけでなく幅広い歯科治療に応用できるポテンシャルを秘めているほかなりません。
例えばインプラント治療では、正確に挿入位置を決定する必要があります。
とりわけ歯が隣接している場合には、隣の歯の歯根に深刻なダメージを及ぼす可能性があるからです。
そこで正確な位置にインプラントを挿入するのに使うのが、サージカル・ガイドです。
サージカル・ガイドには患者の歯茎をかたどっており、挿入位置に穴が開いています。
このサージカル・ガイドを装着することで、正確な位置にインプラントを挿入することが可能になり、安全な治療を行うことが可能になる訳です。

このサージカル・ガイドも3Dプリンターで制作すれば、より精度の高い手術を可能にします。
また歯科矯正用アライナーも3Dプリンターで制作することで、矯正治療の進展に伴う歯型の微調整も行うことが出来るので、より高い治療効果を期待できるのです。
このように3Dプリンターは幅広い歯科領域での応用が期待されており、一部の先進的な施設では実際に3Dプリンターが治療現場に導入されているほどです。
これから先も歯科業界では、3Dプリンターの発展や普及が進むものと見られています。